建築物における木材活用の技術的情報

建築物における木材活用の技術的情報

木造・木質化建築物の効果

建築物に木材を活用することで、以下の効果等が期待されます。

  • 建築物への炭素貯蔵効果
  • 建築物のエンボディドカーボン削減効果
  • 内装木質化による心身面(リラックス・落ち着き等)、生産性(作業性・業務効率等)などの効果
  • 森林資源活用による地域貢献効果

技術的資料

建築物における木材活用は、CO2 排出量の抑制及び炭素貯蔵を通じ、脱炭素社会の実現に貢献します。

建築技術の進展や建築基準の合理化等により、非住宅・中高層建築物における木材利用の可能性も拡大しています。木材を使った建築は、快適な空間の創出、SDGs への貢献、ESG 投資の誘引など、事業者にとっても経済的な効果が期待でき、近年注目されてきています。

建築物の木材活用における参考資料として、ご活用ください。

ウッド・チェンジ協議会作成資料一覧

法令改正

建築基準法施行令の一部を改正する政令等の施行について(令和5年政令第34号)

◆階数に応じて要求される耐火性能基準の合理化(令第107条)令和5年4月1日施行

改正趣旨

耐火構造の要求性能は、階数に応じて規定されている。

※最上階から階数4以内    ···1時間耐火性能

 最上階から階数5以上14以内 ···2時間耐火性能

 最上階から階数15以上    ···3時間耐火性能

木造の耐火設計は中層で多くみられるようになってきているが、階数5の建築物と階数14の建築物の最下層に関して同水準の耐火性能が要求されるなど、きめ細かな基準となっていないとの指摘がある。

改正概要

木造による耐火設計ニーズの高い中層建築物に適用する耐火性能基準を合理化し、中層建築物への木材利用の促進を図る。

改正前

階数5の建築物と階数14の建築物の最下層に関して同水準の耐火性能を要求

改正後

木造による耐火設計ニーズの高い中層建築物に適用する耐火性能基準の合理化

  • 階数5以上9以下の建築物の最下層について90分耐火性能で設計可能とする。
  • 階数15以上19以下の建築物の最下層について150分耐火性能で設計可能とする。
改正前後の耐火性能基準
出典:国交省解説資料(抜粋)

脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について

◆耐火建築物に係る主要構造部規制の合理化(法第2条)令和6年4月1日施行

改正前

大規模な建築物(例:4階以上等)や避難上困難が生じる用途(例:就寝/不特定多数の者が利用)の建築物では、原則耐火建築物とすることが求められている。

この耐火建築物では全ての主要構造部を耐火構造(例:RC造、被覆S造など)とし、火災時に損傷を許容しないことが原則となる。

【改正前】耐火木造

改正前 耐火木造

改正概要

耐火建築物においても、火災時の損傷によって建築物全体への倒壊・延焼に影響がない主要構造部について、損傷を許容し、耐火構造等とすることを不要あらわしの木造で設計可能)とする。

【改正後】あらわしによる木造

改正後 あらわしによる木造

耐火構造等とすることを不要とする(火災時に損傷を許容する)主要構造部のイメージ

中間階

メゾネット住戸・客室等の中間床・階段及びこれを支える柱・はり・壁

最上階及び地上

飲食店・会議室等の屋根・天井及びこれを支える柱・はり・壁

構造図
損傷許容主要構造部
損傷を許容しない主要構造部(特定主要構造部)
特定区画

改正の効果

建築物の見せ場となる特定の居室・空間(例:最上階の飲食店・ホール、メゾネットの住居・客室等)の部分的な木造化など混構造建築物の設計ニーズに対応

出典:国交省改正法制度説明資料(抜粋)
◆大規模木造建築物の主要構造部規制の合理化(法第21条) 令和6年4月1日施行

改正前

大規模木造建築物については、延べ面積が 3,000 ㎡を超える場合は、以下のいずれかに適合することを求めている。

① 主要構造部を耐火構造とする。

② 床面積 3,000 ㎡以内毎に耐火構造の「壁等」で区画する。

改正概要

準耐火構造(あらわしの木造で設計可能)のみで 3,000 ㎡超の大規模木造建築物等が可能な構造方法(③④)を追加。

大規模木造建築物の構造方法

改正の効果

大断面の木材をあらわしで使用する構造等が可能に

出典:国交省改正法制度説明資料(抜粋)
◆防火規制に係る別棟みなし規定の創設(法第21・27・61条等) 令和6年4月1日施行

改正前

混構造建築物や複合用途建築物の場合、防火規制については一部の構造や用途に引きずられ、建築物全体に厳しい規制が適用されている。

改正概要

延焼を遮断できる高い耐火性能の壁等(火熱遮断壁等)(法第21、27、61条)や防火壁(法第26条)で区画すれば、建築物の2以上の部分を防火規制の適用上別棟とみなすことを可能とする。(区画された部分ごとに規制を適用する。)

法第27条と法第26条の改正イメージ図

改正の効果

火熱遮断壁等で区画することにより防火規制を一部適用除外することが可能となることで、混構造建築物や複合用途建築物において、木造化等の設計を採用しやすくなる効果が見込まれる。

出典:国交省解説資料(抜粋)

関係機関

関連用語集